『ふしぎの海のナディア』はNHKが企画し、東宝の下請けのグループ・タックの更に下請のガイナックスが製作したアニメです。マニアックな内容ながらも一部で圧倒的な人気を博した本作ですが、韓国のアニメスタジオ
が作画した回のレベルの低さにファンが激怒し、テレビ放映時にはNHKへ苦情が殺到しました。当時、ガイナックスの社長を務めていた岡田斗司夫氏は、この時の事情を自分の著書で以下のように述べています。当時、韓国政府と取引というか、契約みたいなものが成立していたそうなんです。”韓国の作画スタジオとNHK”とか、そんなレベルの話じゃないです。日本国政府と韓国政府との間で、取り決めがあったらしいんですよ。それは別に密約とかではなく、もっと健全で、文化的なものです。
日本政府が「韓国がこういうことをするなら、それに対してお助けしますよ」と申し出て、韓国側も「資金援助とかじゃなくて、文化的支援だったら喜んで受けますよ」というやり取りをした。その取り決めの中に「アニメの作り方を教える」という項目もあったんですね。
つまり『ふしぎの海のナディア』は、アニメを作るという目的以外に、「韓国のアニメスタジオにアニメの作り方を教える」という命題があったわけです。それは具体的に言うと、作画以降の、動画と仕上げ、撮影のほとんどの工程を韓国でやらせるということです。
『ナディア』のオンエアの2年ぐらい前に、日韓の国家レベルの申し合わせの一つとして「アニメーションの作り方を教える」ってのがあった。その結果、「NHKが作るアニメは、作画の何パーセント以上は韓国国営の世映動画というところに発注する」と決まっていたんです。
僕が説明されたとき、東宝とグループ・タックのプロデューサーから「これは国会で決まったことだから」って言われたんですよ。『天才バカボン』じゃないんだから。「誰が決めたんだ?国会で青島幸男が決めたんだ」って。冗談みたいですよね。本当に真顔でそういう風に言われたんですよ。