リボンを取るヒロイン・無名の、メイクアップ前(画像上)と後(同下)の比較画像。メイクアップにより、目力の強さや髪の質感、頬の赤みの自然さが引き立っている(写真:産経新聞)
アニメキャラの女の子を、さらにかわいく“メイクアップ”する-。このような試みが、放送中のフジテレビ系アニメ「甲鉄城のカバネリ」(木曜深夜0時55分)で行われている。動画に「線」や「ぼかし」などを加え、キャラクターの表情をより魅力的にする工夫のことで、テレビアニメでも始めての試みだという。制作会社の「WIT STUDIO」(東京都)を訪ね、「お化粧」の狙いを聞いた。(本間英士)
■手書きで1枚1枚“お化粧”
「甲鉄城のカバネリ」は、生ける屍(しかばね)である「カバネ」と、人間とが生き残りをかけて戦うストーリー。主人公の少年、生駒(いこま)は、謎の少女・無名(むめい)とともに、カバネを倒すために戦うことになる。キャラクターデザインは、アニメ「超時空要塞マクロス」のキャラクターデザインで知られるイラストレーター、美樹本晴彦さんが手掛ける。
「その美樹本さんのイラストを、ぜひアニメで再現したいと思いました。美樹本さんのイラストは、髪の毛の一本一本にまで、繊細な質感があるんです。でも、普通の(色の)塗り方だけでは、うまく再現できなくて。今回の『カバネリ』では、絵の1枚1枚に手書きで“お化粧”を加えています」
こう語るのは、作業を担当するチーフメイクアップアニメーターの松本幸子さんだ。岡田麻衣子プロデューサーによると、いわゆる「止め絵」(静止画)でこのような特殊効果を使うことはあったが、「動画で広範囲にわたりこの作業を行うのはテレビアニメでは初の試みだと思います」という。
■アイシャドー、チークも
ここでいうメイクアップとは、(1)髪に「影」や「ぼかし」を入れ、ツヤを加える(2)目に「ハイライト」や「質感」などを加えることで、目力をアップさせる(3)まぶたに「線」などを加え、「アイシャドー」を入れる(4)「色」や「線」を足し、眉を整える(5)肌の色味を自然な感じに整え、ほのかに「チーク」を入れた感じにする-などの作業を指す。なるほど、確かにこれはお化粧だ。
ここで、画像を見ていただきたい。メイクアップする前と後では、確かにキャラの表情がより引き立つのが分かると思う。ヒロインの無名や、菖蒲(あやめ)といった女性キャラのほか、主人公の生駒などの男性キャラにもこのメイクを加えているという。
だが、この作業、かなり大変そうだ。アニメは基本的に、1秒間に24コマを動かすことで「動画」になる。キャラクターの動きを表現する場合は、この24コマのうち通常、8~10枚の絵を書く必要がある。「メイクアップ」の場合も同様で、髪や目の色をペンタブレットやブラシで1枚1枚、“手書き”で塗らないといけない。3人態勢で作業しても、平均して1日に50枚をこなすのが精いっぱいだという。
■よりかわいく、より格好良く
アニメファンからは、「アニメで『美樹本絵』が再現されている!」と話題の今作。だが、なぜこのように大変な手間をかけてまで、メイクアップするのか。この問いに対し、松本さんは次のように答えた。
「『新しいことにチャレンジしたい』との思いです。正直、試行錯誤しながらやっていますが、キャラクターを『よりかわいく、格好良い絵にするんだ!』という思いで体当たりで挑んでいます」
「あと、『TVペイント』という、手書きの質感をより出せる作画ソフトの導入も大きいです。(ソフト上で)イラストを動かせるようになったので、作業がしやすくなりました。透明感や艶っぽい表情、『キャラクターが生きている感じ』を出すことが目標です」
今回の「お化粧」について、岡田プロデューサーは「普通のフィルムのなかに印象的なカットがあるだけで、全然『厚み』が違うんですよ。松本さんのこの仕上げの作業で、作品がより魅力的に仕上がりました」と賞賛。
美樹本さんは、「実際の映像を見させていただいて、本当にびっくりしました。空気感そのものを含めた絵柄を再現しようとしてくださっていて、皆さんの情熱が感じられ、感動的でした! 映像の中で新しいすてきな生命を宿してもらえたこと、そして『流行』や『今風』という言葉に過敏とも思える時代に、私に声をかけるという英断を下してくださった勇気(笑)に、感謝の気持ちでいっぱいです。『自分たちが造りたいものを造る』といった気迫が感じられ、私も毎週の放送を楽しみに待つ一人です」とコメントした。
なんか経済的効果あるんですかね
ただの達成感?
結果がわかるのは二十年後だな
世界初の長篇アニメでやってることだろ
いかに人件費を圧縮するか・・・に掛かってるよね
もはや低人件費、発展途上国のシンボル産業
手作業で化粧なんて動画ワンカット100枚を何カットやるんだよw
アニメじゃなくて紙芝居じゃないのか
列車の起動鍵取り出すシーンとかマジやばかった
けっこう当たり前にやってたけどね
いわゆる特殊効果、略して特効
スタッフロールには必ずあったよ
無銘だと思ってた